かちがわ通信

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大須中華街が消える

昨日の中日新聞朝刊に”『大須中華街』消える”の見出しで、2003年に大須の301ビルの3Fにオープンした大須中華街が撤退し、ミニ場外舟券売り場を設ける計画が載っていました。
開店して6年余りの撤退に、思わず「商い」の厳しさを感じましたが、この大須301ビルは、再開発事業で建てられた商業ビルで、開発前から、電気街に続く集客の目玉施設として、商店街の人からも大きな期待が寄せられていました。知人が関係していた事もあり、開店当初に、数回覗きましたが、地権者が1、2階に出店し、3階に中華街を配置、上層階に医療やオフィス、住宅を配置したビル全体のリーシングですが、特に3階を中心に当時はどの店も列を作り大変賑わっていました。
その後、大須へ行っても覗く機会はありませんでしたが、新聞によると、万博以降、客足が遠のき、苦戦を強いられていたようです。しかし、今思えばですが、開店当初も通路の隅に仕入れの段ボール箱やビールの空きケースが積まれていたりして”オペレーションが良くないな”と話をしていたことを思い出しました。どの大型店でも同様ですが、ビル中の飲食店は、その賃料の高さか、十分なスペースが取れないので、デベロッパーが余程うるさく言わないと、総じてこの関係が疎かになっていきます。
イデアは良かったと思うんですが、中華街と言うと横浜、神戸の雑多なイメージが浮かびますが、近代的なビルとそぐわなかったのかもしれません。

また、ミニ場外舟券売り場ですが、新聞には「近くに名古屋競馬のミニ馬券売り場があるので、周辺の抵抗は少ない」と書かれていますが、テナントの内容が変わる事で、「館」のブランド力がどう変わってくるのか、特に住宅は、分譲の場合、資産価値が変わってきますので、すんなり同意が得られるのか・・・難しい局面になってくると考えています。一度聞いて見たいと思いますが、勿論、住民を増やすという一定の役割はあるのかもしれませんが、勝川の再開発事業でも、「住宅ではなく、低層の商業」「分譲ではなくせめて賃貸」にしておけば、という自戒の念に駆られています。理由は色々あるのですが、社会が凝縮していく時代に、容積率や建ペイ率を事業の前提にする再開発事業が馴染むのか、大いに疑問に感じる点です。

背景には不況による個人消費の落ち込みがあるとは思いますが、人の志向がどんどん変わっていく中、この手の開発物件の難しさをあらためて感じさせる出来事でした。