かちがわ通信

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ニュータウン・リノベ―ションIN高蔵寺

春日井市や春日井商工会議所、UR等で構成されている高蔵寺ニュータウン住宅流通促進協議会主催の「ニュータウンリノベーションIN高蔵寺」が、東部市民センターで開催され参加してきました。仕事の関係で30分ほど遅刻しましたが会場に入ると、ザット300人以上の聴衆があり少々ビックリ。正直こんなにリノベーションに関心があるとは思いませんでした。市が絡んでいるせいか、関係部署の職員や建築関係の顔もチラホラ。空いた席を探して座りましたが、AIAとも関係のある東京R不動産のディレクターでをされている馬場正尊氏の講演中でした。馬場氏は全国各地の賃貸住宅のリノベーション事例を紹介しつつ、経年による物件の劣化ではなく、付加価値を付けることにより良化が出来ると話されていました。

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休憩を挟んで「NTの魅力を如何に創造するか 住宅団地都市のリノベーションの可能性」と題してパネルディスカッションです。市政アドバイザーで中部大学教授の服部先生がCD。パネラーは、馬場氏に加えて、国交省中部地方整備局部長の大澤氏、中村副市長、会議所建設業部会長の高栁氏という面々でした。冒頭「兎角ネガティブに捉えられがちなNTをポジティブに捉えてご意見を」という服部教授の前振りを受けて、中村副市長がご自身の経歴を紹介しながら、1)NTは平成7年から人口減少が始まった 2)サブセンターをどうするのか 3)住宅流通促進方法 4)規制緩和 5)藤山台廃校利用などについて課題を感じていると話をしました。これを受けて馬場さんからは、地域の人が働く場所としての活用事例として秋葉原の廃校について また、マンガ図書館としての活用事例として京都の例が紹介されました。

また、高栁氏からは、地元での課題として、リノベーションをコーディネートできる人材不足を挙げられ、これにも馬場さんから、ソフト(企画)ハード(建設)流通(不動産)PR(メディア)が一体になった総合窓口になりうる協議会を設立して取り組んだらとアドバイスがありました。

国交省の大澤部長からは、高蔵寺NTは基本的条件が、多摩や千里に比べると整っていると指摘され、地域のポテンシャルの高さについて話されていました。むしろリノベの採算性について馬場さんに質問され、東京では10%の利回り、地方は5年回収を目指すので、その中間の7年回収程度で良いのではとの事で、やはり経済性から考えないとというです。空家を社会資本と考えるという大澤部長の話もありましたが、URの様な大資本がバックにあれば可能なのかもしれません。

まあ、こんな内容で話が進みましたが、馬場さんが言われたことで気になった点をいくつか挙げておきます。
まず、1)エリアとして大きく捉える事は必要だが、抽象論になると失敗するのでは。住民を具体的にイメージ出来るか、もっと言えば自分が住みたいと思うかがポイント
2)公共空間は行政空間ではない。経済性を念頭に置き、活用して再投資するのが良いのでは
3)物件を物件としてPRするのではなく背景を含めた生活提案が必要。エリアの使い方を具体的に表現することが重要。
4)目線を変える。例えば4階なら4階からのビューを強調する
5)建築業界は業界の論理で考えるのではなく、客目線を入れると風景が変わる。
最後に副市長が、高蔵寺駅北口の再整備や志段味地区との連携を考慮に入れた大きな視野でNT問題を考えると言われていましたが、この辺りが市の考え方なんでしょうか。だとすれば目的郊外と言われた地域としての特色がどこまで出せるのか具体的なイメージがどうも湧いてきません。他にも気になる点がいくつかありましたが、今日はここまでにしておきます。