かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

テイクアウトの注意点とその将来

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営業自粛の要請以後、全国の飲食店が一斉にテイクアウト・宅配に取り組んでいます。春日井市でも商工会議所が主催する「テイクアウトするなら今でしょ!」を実施中で、タクシーで宅配する「タク宅グルメ」も話題になっています。

https://www.kcci.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/04/takeout.pdf

ただ、心配なのは、例年、梅雨時に多く発生する食品事故(食中毒)です。そこで、私が気が付いた点を少し書いておきますので、ご関係の方は参考にしてください。まず、保健所的に言えば、飲食店営業許可で可能なテイクアウトとは、その場もしくは事前に注文を受け調理したものを持ち帰ることです。たまに店頭に弁当を積みあげて販売しているのを見ますが、これは、弁当・総菜販売となり、通常の飲食店営業では不可となります(都道府県によって様々ですので、地元の保健所に問い合わせてください)。コンビニで営業許可証まで見る人はいないんでしょうが、よく見るとアイスクリームや牛乳などの乳製品販売や食肉販売等々沢山の営業許可種が申請されています。それほどに日本の食品衛生行政は厳しいのですが、現状コロナ関係で保健所はてんやわんやになっています。まずは、ネットで調べたりするなどの「自主管理」をし、その上で不明な点は保健所に聞くのが良いかもしれません。

さて、それでは、現場はどうすればという事ですが、普段テイクアウト・宅配をしていない飲食店は、通常のオペレーションとは違うというということを念頭に置くことが必要だと思います。その場で調理し販売するする場合は、賞味期限や内容、アレルギー等の表示シールは不要ですが、他所(委託を含む)で販売したり、先ほど書いたように店頭でも積み上げて販売する場合は必要になります。そもそも温度管理のできない客席に容器を並べて盛り込むのはNGなんですが、あくまで緊急措置ですので、①生野菜は雑菌が多いので、流水で良く流し、次亜塩素酸ナトリウム食品添加物用)で洗うか出来れば避ける ②豚、鶏肉は、芯までよく火を通す(店内では余熱で火を通すという表現で「美味しさ」を追求しますがテイクアウトはまず「安全」 ③ご飯は炊き立てではなく冷まして入れる(具の入った炊き込みご飯は傷みが速い) ④当日使うものは当日仕込む ⑤盛り込み時には、手洗いは当然、帽子、手袋も必須 他にも色々あるんでしょうが、弁当の販売をする場合、最低限これ位の事に注意が必要だと思いますが、テイクアウトに対応する場合も、お客様はすぐには食べないことも考慮に入れ参考にしてもらえると良いかもしれません。お客様の安全・安心を守ることは本当に大切です。

 さて、今回は緊急避難的にテイクアウト・宅配に参入する飲食店が増えていますが、コロナ終息以後、この部分帯はいったいどうなるんでしょうか。宅配ではウーバーイーツや出前館がニュースやYoutubeでも紹介されています。弊店では自前で宅配をしていますので、あまり関心がなかったんですが、良く調べてみると本当によく出来たシステムだったのが理解できました。例えばウーバーの場合、店側負担の%が表記されいませんが約20~40%の手数料がかかるようです。そうなると個人の店舗では中々手が出しづらいのかもしれませんが、価格に配達料を上乗せしたり、広告宣伝費が含まれていると考えれば、まあ、考えても良いのかもしれません。ただし、まだ都市部が中心で、そもそも春日井のような地方は店舗密度も低いので参入はしてこないのかもしれませんね。出前館は自前で宅配することが前提のようですので、参入するにはある程度の投資を考えなければなりませんし、注文が入って配達するまでの時間も一時間以内が殆どですので、これにも対応する必要があります。しかし、何度見ても良くできたシステムで感心します。

昨日、緊急事態宣言の5月末までの延長が発表されましたが、同時に「コロナの時代の新たな日常」の基本的生活様式ガイドライン)が出されました。飲食店は人数や滞在時間に制限を設け、向かい合わせの席ではなくカウンターのような横並び、料理も大皿盛は避け個々の料理、料理に集中しおしゃべりは控えめに....と弊店のような料理店や宴会場のあるホテルなんかを筆頭に、引く続き大きな影響が考えられる内容になっていました。その分「テークアウトや宅配で」という事なんでしょうが、店舗に話を聞くと多くて通常時の売り上げの10~20%位のようです。まあ、やらないよりはという人もいましたが、将来のことを考えると、減少した売り上げをテイクアウト・宅配で補填をするか、もしくは、固定費を減らすなどして、損益分岐点を下げ、売り上げが減っても持続できるような仕組みにしてしまうか、究極の選択ですが、この際、体力のあるうちに廃業するかのいずれかだと思います。どちらにしても、元々毎年約10%の店舗が入れ替わると言われている業界で、ここ数年は店舗数も減少傾向でしたが、今回のコロナ騒動で一気にこの傾向が進むのかもしれません。頭の痛い問題です。