かちがわ通信

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傲慢と寛容

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森さんへの批判が収まりませんね。今度は、ボランティア辞退の話まで出てきました。「女性の多い会合は時間が長くなる」等々の「女性蔑視」発言から始まり、釈明会見での不遜な態度が批判されていますが、マスコミ経由ではなくネットで直接その様子を見ることが出来ますので、あれでは批判が出るのは仕方がないのかもしれません。

私も映像を見て直感的に出た言葉が「傲慢」です。傲慢の意味は「思いあがって(おごり高ぶって)人を見下すこと」。しかし、これは、今回だけではなく中西経団連会長の「日本社会の本音が出た」発言から見て取れるように、そもそも日本の社会の特性なのかもしれませんネ。まあ、古今東西国会中継なんかを見ても下々が為政者に感じる思いがこれです。

さて、私は、今回の騒動の裏には、森さんご自身も言っていた「老害」つまり「老若」問題が見え隠れしていると思いました。「老若男女」と言いますが、「男女」の問題と「老若」の問題は別なんでしょう。「老」というのは「ボケる」という意味ではなく、周りが見えなくなるという孤立感のために、自分の世界感がすべてになってきます。しかし、反面よく事業承継の話をするときに、「昔の親父連中は、俺の会社(仕事)を継げば、また俺の言う事を聞いておけば食うには困らんと子供に言い聞かせていたが、裏を返せば「俺が食わせる」という責任感があった。しかし、今は「お前の好きにすれば良い」つまり一見理解者の様に見えるが、実は「どんな人生を送ろうが俺は責任を取らない」という暗黙の意思表示がある」という人がいます。つまり、最近の「老」は「若」にすり寄るが、言ったことに責任を取らない(取れない)。「撤回して謝罪」で済むと思ったところが、まさに今時の「老害」ような気がしますが、逆にすり寄らない部分は、森さんは「老」の鏡なのかもしれません。結局周りが見えていなかったのが失言の本質なんでしょうね。

それでは組織としてはどうだったんでしょう。基本「これまでの常識はこれからの非常識」「社会が変われば頭の中も変えていくことが大切」なのですが、組織では、それが「実現できる体制を作れるかどうか」がポイントになってきます。以前、牡蠣を扱う会社の社長に聞いた話ですが、食品とくに牡蠣はリスクが大きく、いつ何時食品事故が起こるか分からないため、責任を取るために世代交代はしないという話を聞きました。企業としてのリスクヘッジです。組織委員会として今後起こりうる事態へのリスクヘッジとして森さんを慰留しているとしたら、まあ、少しななめ読みかもしれませんが、それもありかもしれません。そういう意味では、今回の騒動への政府や組織委員会の組織としての責任も森さんだけを悪者にするのではなくあると思います。

いずれにしても、森さん二階さん辺りは、何を言っても馬耳東風。SNSでいくら糾弾されようがご本人は見ないので関係なし、ワイドショーが騒いでも「マスコミの偏向報道」と一刀両断で、そもそも、罪悪感(自覚症状)が無いので今の状況が把握できない。結果、開き直るしかないんでしょうね。

こうなれば「お爺ちゃんの悪い癖がまた始まった」位の「寛容」の精神をもって見守り、政府や組織委員会の皆々様の自浄作用に期待します。