かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

十年一日の如し

「十年一日の如し」と言う言葉がありますが、最近の変化の激しさには、同じように過ごすことの難しさと、愚直に続けることの価値観も他方で感じています。
伝統工芸も然りですが、我々の業界でも「漆器」は影をひそめあまり使わなくなってきました。勿論「お椀」は漆器ですが、これとてABSという樹脂に塗りを施したものが、ほとんどです。欧米では陶器の「China」に比較して漆器を「Japan」と呼ぶそうですが、金箔の蒔絵や沈澱、螺鈿などが施されたものは本当に見事ですし、手に馴染む感覚は日本人しか分からないでしょうね。是非残したい技術です。ところが簡単にスクリーン印刷などで機械化されたものが幅を利かすようになると、業界そのものが廃れてきます。さて、日本で100年以上存続する企業が約10万社あるそうです。創業10年でその90%が消えていくと言われる中でその生存率は0.3%とも言われていますが、老舗と言われる企業が、それでは「十年一日の如く」経営され続けて来たかと言えばどうもそうではなさそうです。時流の波に翻弄されつつ乗り越えてきた逞しさも感じますが、目先の利益に固執しない判断基準を持っているのも理由の一つのようです。「社是・社訓」と言われるものですが、新しい価値観に目を向けながら、守るところはきちんと守る、これは企業だけではなく、地域でも商店街でも同じではないでしょうか。今度6月8日に、長野県小布施市にある小布施堂の市村社長に講演会をお願いすることが出来ました。詳細が決まりましたらここでも書きますが、まさに「守るべきことを守り、新しい価値観を創造している」代表的な方です。今から話をお聞きするのが本当に楽しみです。