かちがわ通信

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東海地域産業防災研

経済産業省の中部経済産業局が主催する第一回「東海地域の新たな産業防災・減災を考える研究会」(略:東海地域産業防災研)が開催され出席してきました。これは東日本大震災の発生を受けて東海地域の企業への影響と、今後の企業防災・減災の在り方や、地域内連携によるBCPの事例調査等が検討内容ですが、特に産業対策のソフト面に的を絞り、企業活動の維持・回復(生産活動・企業間取引等)が検討分野です。メンバーは17名。大手製造メーカーから流通関係、銀行系のシンクタンク、大学の先生、行政の防災や産業関係の担当者ですが、私は、以前、愛知県のBCPモデルを作る時に、勝川商店街で商店街のBCP計画を作成した担当者という経緯から引っ張り出されました。他にも東北や近畿の経済局や国土交通省からも出席されていました。

今回は、最初に、研究会の趣旨や、被災した企業の復旧状況等が資料に沿って説明され、続いて
座長の名工大のW教授から、
サプライチェーンを介した被害の拡大状況について説明があり、例えば、ペットボトルのキャップの様に、今までメーカー各社で異なっていたものを共通化することで部材調達をしやすくし、生産効率を向上させる件や、今回の様な広域災害の時の課題などが、また、商流フローを作成・分析し、どこの県の製品が、どこの県のどの産業に影響を与えているのかというリスクマップも、今後必要になってくるのではと指摘がありました。オブザーバーで出席された国土交通省からは、国道4号線と東北自動車道の通行確保を最優先にし、その後、くしの歯の様に沿岸部に向かって道路整備をした「くしの歯作戦」の話は興味深い話でした。また、東北経済産業局からは、大震災について、推定被害総額は16兆9千億円(h23.6.24)、死者・行方不明者合わせて2万人以上とされ、さらに被災者123万人の内約4万5千人が県外に避難している現状や、福島原発関連での風評による産業への影響も説明がありました。さらに被災した企業の担当者からは、地域にとっても企業にとっても有益なBCP計画が有益で、地域内の共助、公助の点から、新たな計画を作る必要があるとの指摘がありました。
どちらにしても、事前準備、緊急、復旧・復興の其々の段階を考慮に入れた実のあるBCPを作る事が肝心です。また、感心したのは、盛岡のアピオという岩手産業文化センターで、元々展示会場もある関係か、5tトラックが直接乗り入れる構造になっているそうで、今回救援物資の集積拠点になったそうです。この様な災害を想定して公共施設を整備する事は、後で考えれば必要なんでしょうが、実際、春日井市で、災害を想定して設計されたという話は聞きません。今回は第1回という事もあり、議論が深まるところまでは行きませんでしたが、話を伺っているだけでも、結構、参考になるような事が沢山ありました。次回は10月中頃に開催されるようです。