かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

春日井経営塾vol.3 持続可能なまちづくり

この様に本当に沢山の人の想いを形にした大事業でも、いざ完成して改めて見るといくつかの反省点が見えてきます。一番大きかったのがコンクリートの塊をこの先どう維持していくのか、また、建て替え時期の権利関係です。定地借地にしてとも考えたのですが、そうすると補助金が得られなくなり資金的な問題が出てきます。いずれにしても我々の資産を保つためにも持続可能なまちづくりが必要なのは言うまでもありません。

さて、商店街が一番賑やかだったのは、昭和29年から昭和48年の高度成長期です。これを支えたのが人口急増で、戦後50年の日本の人口は1945年7200万人から2000年には1億2700万人になり約8割増加します。(春日井市は62,174人から291,474人(470%)に)これは55年間毎年100万人都市が出来続けた計算ですから、戦後の物が無い時代と相まって物が売れたのは当然かもしれません。「商品さえあれば飛ぶように売れた」と昔を懐かしむ年配の商店主が声を揃える時代です。
このように人口増加という特殊な背景から、土地需要が増加、車もバブル崩壊まで順調に増え、車社会に対応した郊外地の需要は増える一方でした。農地を商業地や住宅地に転用し容積率を上げるとそれだけ高い建物が建てられ土地の価値が上がる。その建物が全部埋まるのであれば、その分儲かり、その用地が順調に埋まるのであれば、人口は増え、経済は活性化する。だから開発地さえ拡大すればと考える人は非常に多かったと考えられます。
 
図2しかし、この図をご覧下さい。春日井市の人口はあと10年程でピークを迎え減少していきますが、実は、老年人口は増え続けているのに年少人口(15歳未満)も生産人口(15歳-65歳)も既に減少に転じています。経済的に地域を支えるのはこの生産年齢ですから地域経済が停滞してる原因は景気ではなくこの人口問題かもしれません。


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それでは、もう少し詳しく春日井市内の様子を見ていきます。この図は平成15年(再開発前)と平成24年(再開発後)の約10年間を、春日井市のHPの町丁別人口で比較し10%以上増加した街を赤で、減った街を青でポイントしました。勝川、松新、神領周辺が増加していることは何となく理解できますが、春日井駅から神領駅に向かう、大留、堀之内や美濃町、味美、宗法町周辺も人口が増えています。これは先程言いましたが、農地が区画整理で市街化区域になり宅地開発が行われた結果と思われますが、特に勝川周辺は再開発された周辺地域にも人口が増えていることが読み取れます。逆にニュータウン周辺は、平均的に7~8%減少ですが、社会資本を投入すれば人口増、投資が行われない地域は減少するとも言えるのではないでしょうか。
市税の約半分を法人個人の市民税で賄っている事を考えれば人口が、特に生産年齢が減り続ける人口構造は大きな問題を抱えていることになります。(続く)