12月第一例会の卓話は春日井警察署の小林署長でした。署長のお話は今まで何度かお聞きしていますが、何というか普通の署長さんとは視点が違うのか大変楽しく参考になる話が多いので楽しみにしていました。
早速、今年9月に発生したラーメン店での殺人事件について「報道されていた内容とは違う」と、事実関係を話されました。内容については以下の通りです。
犯人については早い段階から事情聴取を行っていたそうですが、犯行当日は大阪にいたとの供述で家族（妻）も間違いないと証言し、実際、大阪に捜査員を派遣して聞き込みもしたそうですが、Nシステムにも記録が残っており「白」と判断されたようです。しかし、犯人に繋がる手がかりも得られず、再度白と判定した案件を洗い出したところ、犯人が当日小牧駅前から携帯を掛けた記録が残っており、春日井署に任意同行を求め捜査を続けたようです。しかし、家族と別々に聴取をしたところつじつまが合わなくなり犯人だと確信したそうですが、送検の手続きが間に合わず、署から出て署員が説得を続けながら熱田駅まで歩いて行ったのは報道通りです。しかし、報道では署員が取り逃がしとされていましたが、任意捜査の限界でこれ以上付きまとったり複数の署員で囲んだりすると強制捜査と判断され、そこで得られた情報が裁判で採用され無くなる恐れがあるため署長判断で容疑者と別れさせたようです。その後、逮捕令状が出たため全国に指名手配をし逮捕に至ったのはご存知の通りです。
また、交通環境の話もされましたが、「兎に角どんな事でも、何かあったらすぐ署に連絡し私の名前を出してください。それに因って署員が少しでも真剣になってくれれば良くなりますので・・」とは中々言える言葉ではありません。流石です。
