かちがわ通信

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大型店出店に反対するの?

写真は小田井にあるMOZOワンダーシティです。イオンモールの中では日本で三番目の売り場面積を誇る大型店。まあ、言ってみれば勝ち組なんでしょう。

Mozo_AEON_Wonder_City_Shopping_Center_02

何故、こんな話を書くかというと、昨夜の某懇親会で、隣席の方が「何故 大型店の出店に反対なんですか? 商業と言えども切磋琢磨する環境の中で、それぞれが創意工夫を凝らし他には無い商品、サービスを提供していけば良いのでは。商店街の皆さんが反対する理由が分からない」と言われました。唐突な切り出しだったので、咄嗟な返答が出来なかったんですが、確かに現行法では周辺の環境に関する立地法はあっても、以前の様な商業調整に関する法律はありません。あるとすれば県が条例で定める企業のコンプライアンスを求める文章位でしょうか。消費者も選択肢が広がり、「歓迎すべきことなのでは」と言われていました。事実、この方もMOZOにはよく行かれるそうです。

確かに、ここまで商業が混迷(疲弊)してくると、大型店が出来ても短期的に見れば誰も困らない、むしろ歓迎すべきことなのかもしれませんが、やはり、長期的に見れば域内消費の奪い合いになってきますので、全てを経済原則に当てはめて考える事の危うさは感じています。 また、まちづくりの視点では、大型店が出店する周辺には、道路等の社会的インフラ整備という投資が出てきますので、特に本部が域外にある場合など税収で回収できるのかという問題も出てきます。ストロー効果で地域の金を吸い上げ首都圏で納税では、地方が益々疲弊し街が荒れていくと考えています。

ただ、 商店街が言う「コミュニティの崩壊に繋がる」という部分は、確かに商店街がかつて地域を支えてきたという事実はあったにしろ、それは儲かっていた時代の事で、いまやそれだけの力はありません。あるとすれば人的な部分でしょうか、自虐的に言えば「暇」になった分、時間はありますから・・ただし、かなり高齢化した集団ですが。。

勝川でも再開発前の軒を連ねていた時代を懐かしむ声も聞こえてきます。それはそれでノスタルジックに語られているとは思いますが、それでは果たしてそのままの状態で今を迎えていたら商店街はどうなっていたんでしょうネ。実際、駅前市場もサティ(現イオン)の影響で閉店し、一気に商店街から人影が消えました。当然ですが、コミュニティを支える力は残っていないと思います。社会の変化に着いていくだけの機能性も商店街振興組合と言う組織上難しく時代に合っていないとも感がられます。

こうやって順番に考えていくと、確かに商店街が大型店の出店に対して反対する理由は確かに無いに等しいのかもしれません。その大型店もインターネット販売に大きく水を空けられ低迷する時代になってきました。13年度の統計ではネット通販の総額は15.9兆円15年度には20兆円とも言われています。スーパーが12兆7千億円、コンビニが約9兆4千億円、百貨店は6兆2千億円ですから、その内、百貨店も商店街並の絶滅危惧種に指定されるのかもしれませんネ 

商業は時代対応業。難しさも感じますが、決してなす術が無い状態ではありません。知恵を絞って自らがリスクをとり街に投資する。少なくともこの気概だけは忘れないようにしなければ! 頑張ります。