かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

都市のデザイン

今日の朝刊に豊川市中心市街地にある再開発ビル「プリオ」から核テナントのアピタが撤退し、ビルを管理する第三セクター豊川市開発ビル」が、後継店舗の誘致に苦慮している記事が載っていました。穴が埋まらなければ経営悪化は避けられず、投入した巨額の税金が焦げ付く恐れもあり、市議会からも「もともと営利目的のビル経営に市の事業はなじまない」と「早期に手を引くべき」との声も挙がっているようです。現実の話として、ここまで悪化し、尚且つ多額の借金が残っている状態で手がひけるのかどうか分りませんが、金額の多寡は別として、行政が中心市街地に投資をし、大型店を誘致するケースは、豊川だけではありません。お隣の小牧市でも同じ構図ですし、春日井市でも、株式会社勝川開発も三セクですし、大型店ではありませんが、核店舗のホテルを運営する”ホテルプラザ勝川”も三セク(スモール三セク)です。
全ての三セクが上手くいっていないと言う訳ではないんでしょうが、構図は兎も角、実際の運営が殿様商売になるケースが多く、むしろ経営の在り方に問題があるのかもしれません。更に、核店舗として誘致された大型店も、すぐに撤退を考えるのではなく、何らかの手を打つ姿勢も必要です。先日、守山の志段味地区での区画整理で、やはりユニー系列の大型店が出店を計画している話を聞きました。土地の草木を燃やして栄養にし、栄養を吸い尽くすと違う場所に移る将に焼畑商業の典型です。

さて、この志段味地区の区画整理事業は、違う意味で問題を抱えています。もともとこの整理地域内の中志段味地区には、野田農場という古くからの都市型農場がありますが、この農場が区画整理事業の中で、移転を余儀なくされ、減歩率の問題も含めて計画が予定通りすすむと、農業が続けられなくなると言う事態にさらされているそうです。
私も野田農場は、なんどか”有機トマト”を買いつけに伺った事もあり、この近郊では珍しい専業農家で、近隣地区の商業者の視点からも、こういった都市農業の必要性は感じていましたが、この野田農場を何とか存続させようと、持続可能な都市農業と生物多様性の観点から「志段味の里地を残す会」が設立され、野田農場が行政と区画整理組合を相手に進めている協議を後押しするシンポジウムが、先週の土曜日、中部大学の名古屋キャンパスで行われました。


野田農場1私も「話題提供者として討論に参加して」と誘われていましたが、生憎この日は、どまつりと重なっていましたので欠席の連絡をすると「ビデオでも良いので」と頼まれ、近隣商業の視点から、地産地消を推進するには都市農業が必要という意見を述べさせてもらいました。




野田農場3詳しいシンポジウムの内容は、まだ聞いていませんが、当日は河村名古屋市長も出席されたようで、注目度の高いシンポジウムになったようです。どちらにしても、都市のあるべき姿を、きちんとデザインし描く事は本当に必要です。