かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

持続可能な都市を作るために

午後からの大雨で予定されていた勝川駅東の夏祭りが、早々と明日に順延になりました。しかし、明日も予報では”雨” 夜には何とか持っていたので、強行しても良かったかもしれません。今年は各地の夏祭りが雨のせいで中止なっているようですが、この判断が中々難しいところです。

さて、昨日は、午後から、如意申町へ出店が予定されている大型商業施設の関係で市長あての要望書を届けに市役所に行ってきました。過日、出店概要書が愛知県に提出されたのを受けて、18日(土)に地元説明会が開催されましたが、腑に落ちないことだらけで、商店街連合会と周辺の商店街の連名で、市に寄付される予定の市道について受け取らないよう要望書を出す事にしました。以下その要望書です。
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<前略>
昨年来、○○㈱跡地については、株式会社○○及び○○開発株式会社が、戸建て住宅を建設し分譲する計画だと聞いていましたが、本年初め、当該地中程に幅6Mの道路を設置(「市道」として寄付)し、その西側に食品スーパー○○の出店計画が表明されました。さらに、この時点でも住宅開発と計画されていた東側部分に、本年5月ホームセンター○○の出店が表明され、出店概要書の届け出を受けて、今般の説明会が実施されました。これは愛知県では、工業地域への一万㎡以上の出店が出来ないことから、別の案件とすることで出店を可能にすることを意図したことは明らかで、極めて悪質な法の網を潜る開発行為として、到底納得できるのではありません。また、当該地の北側、西側は第一種の住宅専用地域で、周辺の道路状況を考慮に入れても合計一万㎡を超える商業施設が立地する場所とはいえず、さらに、約1.5km南には、春日井市が西の玄関口として整備を進めてきた勝川駅前再開発地区ならびに商店街があり、このまちづくりへの影響も懸念されます。
また、愛知県商業まちづくりガイドライン 3(2)イの自主的な地域貢献の促進-地域貢献に関する諸手続き中、地域づくりの取り組みへの協力の中で、地域の商工会議所・商工会・商店街振興組合への加入の項目がありますが、○○に関しては、春日井市内に2店舗あるにも関わらず、今まで一切の協力の姿勢が見られず、今回の説明会でも「加入してもメリットがない」という理由で返答されました。地域貢献とは、企業のメリットの有無ではなく、出店する企業が地域の発展のために、その規模や地域商業への影響力の大きさから何らかの貢献することを意味することから、○○の社会的責任に関する姿勢には疑問視せざるを得ません。

つきましては、今回の開発行為の前提となる、敷地間の道路の寄付行為については、白紙に戻され、春日井市西部地区のまちづくりを考慮に入れた、商業の適正な配置について、ご指導頂きますよう強く要望いたします。
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まちづくり三法の、改正都市計画法でも、都市のスプロール化を防ぐ意味で、床面積一万平方㍍以上の商業施設の立地は中心部に近い「商業地域」など三地域に限定され郊外への立地は原則制限することが決められています。勿論、春日井市では、特に車への依存度が高く、生活圏の広域化自体を完全に抑制することができないことは承知しています。私も含めて、車の利用者にとっては、郊外の大規模商業施設は大変便利なものですが、一方で車を利用しない人もいます。独り暮らし高齢者の外出手段の第一は徒歩で、バス、電車と続きます。車を使わないと生活できない都市構造では少子高齢化社会に対応できませんので、春日井市全体から見れば、誰にとっても暮らしやすい都市構造が必要なんです。

また、全国の多くの地方都市でも、中心市街地の衰退が深刻化していますが、都市の人口規模にかかわらず、中心部では人口の実数とともに小売販売額も同様に減っています。鳥居松地区の商店街を見れば明らかですが、中心市街地の空洞化に歯止めがかからないのは、実は商店街だけの責任ではありません。都市構造、まちづくりの方向性にも問題がありました。名古屋のベットタウンとして、中京圏の急増する人口の受け皿として高蔵寺ニュータウンが造成され、新しい郊外都市は最新のライフスタイルを具現化する場所として歓迎されました。しかし、反面、旧来の中心市街地のコミュニティーとしての魅力が低下してしまったのです。最近でこそ、この揺り戻しが図られ、勝川駅前の再開発事業などが進められてきました。もちろん”人”の問題は大変大きく、この担い手をどうするのかという問題もありますが、何度も言いますが、市としてこの中心市街地の問題をどう考えるのか、今回の如意申町の商業施設の問題への対応を見ていると、地元の”やる気のなさ”を口実に、実は市も”やる気”がないのではと思わざるをえません。持続可能な都市構造を作る為には、もっと真剣な、しかも幅広い議論が必要です。