かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

かっちぃ検証セミナー

今回のセミナーは商連主催ではなく名古屋大学の主催で地域公共交通を研究する基盤研究の一環として国からの助成を受けての開催ということで、行政や、民間の交通関係者(春日井市はいませんでしたが)も含めて、予想以上の約50人の出席があり、また中日新聞朝日新聞、地元のケーブルテレビ等も取材に来るなど、注目度の高い中での開催となりました。
我々商連としては、事業主体として客観的に見て足らなかった部分体を真摯に反省し、次のステップを踏む場と考えていましたので、冒頭、商連として運行に至った経緯を約10分ほど話をさせてもらい、加藤先生からの、各地の事例も含めて「何故継続が出来なかったのか」という点での意見を伺い、また、今日は東京、大阪、香川から交通問題を専門に研究されている大学の先生方も参加していただきましたので「走らせる目的は何だったのか」「走らせること自体が目的になってしまったのでは」「走らせると同時に利用者が滞留できる商店街にならなくては」等々、試乗した感想も含めてご指摘をいただきました。その後、1)何故持続できなかったのか 2)商業主導型公共交通の取り組みの評価 3)商店街活性化、まちづくりの進め方という座談会では、会場からもいろんな意見が出されましたが、総体的には、地域のビジョン、意識の共有、協働等今後の街づくりを見直す恰好の機会にすべきという要望や意見が出され、むしろ一石を投じる事が出来たという評価が多かったような気がします。
そもそも、商店街組織がコミュニィティバスを運行する事業は、全国的にも先駆的な取り組みで、行政と市民との協働が叫ばれている中、時流に沿った取り組みだったと今でも思っています。中には「拙速だった」という意見も出されていましたが、それでは時間をかければこのような結論に至らなかったかといえば、必ずしもそうではないと考えていますし、むしろ短期間で議論を集中させた結果が実施に至った理由でもあります。ただし、これは加藤先生からの指摘もありましたが「拙速」の「拙」の部分では、研究不足であった事は否めません。むしろ広く住民との議論を深めるべきだったと感じています。私自身もセミナーの資料として、この事業が検討された前後からの委員会や会議等の一覧表を提出しましたが、既存の事業者との調整を含め、地域公共交通会議への対応に追われ、外へ議論を深める事が出来なかった点は大いに反省すべきだと思っています。言葉を換えれば、我々がこの対応に追われている姿は、特に味美地区では、早期実施への要望書も出ていましたので住民に伝わっていると勘違いしたこともあるかもしれません。これは10月に開催した味美地区での懇談会やその後の会議で、あまりにも無責任な意見が出てきたことで分ったのですが、むしろここまで来なければ分らなかった自分に唖然としました。

今回の一連の流れの中で、もちろん廃止という結果には忸怩たるものを感じていますが、一番肝心なのは「犯人」を作らない事を考えていました。セミナーの最中も、常にこの事を考えていましたので、終始歯切れの悪い話になってしまいましたが、議論を重ねる過程で事実関係を明確にすることが一石を投じる事に繋がるかもという思いもし、最後に地域公共交通会議の在り方の話をさせていただきました。これは公共交通会議が春日井市の公共交通の在り方を協議する場ではなく、利害関係を調整する場であった事。この業界事情を知らずに会議に臨んだ我々の瑕疵もあるかもしれませんが、「休止」を「廃止」にさせられた経緯には、未だに納得がいかず、当初は会長への思いも感じていましたが、最近になって背景には「行政の意向があったのかも」と思うようになってきた点です。そうであるなら会議での我々への扱いも納得がいきます。この事での恨みつらみは今となっては一切ありませんが、こういった事を検証することで、本当の意味での市民協働へ向かう事が出来るような気がしますし、一石を投じる事が出来るとするならば、将にこの点だと今日のセミナーを通じて強く感じました。
約2時間という時間に制約のある中でのセミナーだっただけに、進行役の福本さんは大変だったと思っています。終了後、商店街の喫茶店に移動し、さらに先生方と話をさせていただきましたが、どの先生も親身に考えてくださり大変参考になりました。
確かに運行継続は出来ませんでしたが、本当の意味で失敗だったのかはこの経験をどう今後のまちづくりに活かすのかにかかっています。本セミナーを実施していただいた名古屋大学の加藤先生、また遠方よりお越しいただいた先生方にはこころから感謝申し上げます。