かちがわ通信

春日井市勝川発のまちづくり情報発信中!! 自立分散型、みんなでやらないまちづくりに取り組んでます

自分達の街は自分達で守る

平成19年愛知県のあいちBCPモデルとして勝川商店街での取り組み事例を作成しましたが、結果として活用もされずにそのままになっています。今回の東日本大震災の発生を受けて「添えあれば」と思うのは、決して私だけではないとは思いますので、少しこの話を書いておきます。
商店街ネットワークでお付き合いのある神戸長田大正筋商店街の副理事長伊東さんと初めてお会いしたのは、平成17年の南三陸志津川で開催された商店街サミットの時です。懇親会終了後、ラウンジに場所を移して震災当時の話を伺いましたが「街はきれいになったが空き地が埋まらない。何故だと思う。10年経っても人が死んだ土地は売れないんだ」と言われていました。商店街で死者を出すと街の発展が難しくなるため「死なないまちづくり」が重要という意味です。また、「直接震災で亡くなった方より、その後の火災で亡くなった方の方が多かった」との話もあり、商店街としては、まず「建物の耐震化と防火対策が重要だ」というのが伊東さんの話の内容でした。
春日井市花崗岩が多い割と強固な地質で、断層もなく、東海地震ハザードマップでも震度5強から6弱と推定され警戒区域から外されています。しかし、高蔵寺NT地区の様な造成された場所や、庄内川流域、特に小野町、細木町周辺は液状化現象が起こると予想され決して被害が想定されていない訳でもありません。もちろん災害は地震だけではありませんし、内津川堤防の決壊や東海豪雨による水害も記憶に新しいところですが、BCPを作る時に、まずこの災害を想定するところから始まります。
勝川の場合は、強固な地盤と共に、再開発や区画整理事業に因る建物の建て替えも比較的進み、老朽した店舗はそう多くはありません。また、東海、東南海地震発生時には、
静岡県の大被害が予想されていますが、当然、大動脈の東名高速、国道1号線は不通になるでしょうし、そうなれば首都圏と結ぶ高速道路は中央道しかありません。JR中央線は春日井駅で、R19は鳥居松交差点で名古屋方面への進入が規制される事から、こういた地理的な条件や状況を考えれば、春日井は名古屋への救援物資の前線基地になるだろうと考えています。

しかし、
春日井市の地域防災計画を見ると尾張5市との協定がされてはいますが、こういった広域を想定した計画は見当たらず、特に勝川地区を考えれば、勝川小学校が避難所に指定されてはいますが、西部地区の拠点が味美ふれあいセンターになっているように、人口密集地区の勝川地区の位置付け、役割が明確にはなっていません。従って、行政だけに頼らない商店街独自のBCPを作る意義は本当に重要で、まさに「自分達の街は自分達で守る」事が大切です。また、中越地震の時の長野県飯山商店街や今回の南三陸への酒田中通り商店街の様に被災地に近い商店街に、物資を集めてここから支援物資を運ぶという、普段の商店街のネットワークや防災朝市ネットワークを利用した方法も、更に進化をしています。どちらにしても他人事ではありません。BCPモデルを作った時は、災害への実感もありませんでしたが、今回の東日本大震災から何を学び備えるのか皆で考えるべきだと思います。