かちがわ通信

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春日井市長選挙雑感してみました

市長選のポスター掲示板の準備が進み各所で見かけるようになりました。予定では3枚のポスターが張られることになっています。当然ですが、市長選は1分の1を争う選挙です。つまり勝つか負けるかの一択です。かつて市議選のお手伝いをしたことがありますが、市議選は〇〇分の32を選ぶ選挙。つまり32番目までに入れば、あとは獲得票の順番だけです。衆参の国政選挙も県議選も同じ、総理は直接選べませんので、世論が直接的に反映できるのは知事選、市長選などの「首長選挙」ということになります。候補者にとっても「議員選挙」と「首長選挙」では色んな意味でも大きく変わると思います。議員は公約と言ってもメニューを並べ「やります」を連呼しても責任を問われることはありませんが、首長は、公約が直接行政運営に関わってきますので「やれませんでした」とはいきません。1票は同じでも、選ぶほうも選ばれるほうも32倍の「重み、責任、やりがい」を感じるのかもしれません。

ただ、選挙と言っても所詮人間社会のことですから「権力(利権?)」や「義理・人情」が勝ち、「理屈(政策)」が負ける世界とも感じます。「2:2:6」の原則を当てはめれば。どの候補も鉄板支持者が10~20%程度いますので、各候補とも反対票の20%は捨て、残りの40~60%の浮動票をどう獲得するか、もしくはオセロのように反対票をいかにひっくり返すかの戦略がカギになります。まあ、この辺りの話は長老と言われる権力者の力に左右してくるんでしょうが、春日井市は比較的新しい住民が多く、むしろ街頭、駅頭を通じてまずは名前を覚えてもらい、チラシ、SNS、座談会、討論会で考えを知ってもらい選択をしてもらうというのが良いんでしょう。

さて、この選挙少し投票率の側面から見てみましょう。過去5回の市長選の投票率は、平成15年(故鵜飼市長の最後の選挙)40.31%。平成18年31.79%、平成22年28.81%、平成26年29.47% 平成30年(前回)は28.64%でした。伊藤市長は鵜飼市長が健康上の理由で退任された後、引き継ぐ形で立候補されたましたが、4回の選挙とも有力な対抗馬がなく、投票率に関係なく5万4~8千票を獲得、得票率も74~82%となり安定的な市政運営の基盤になっていました。先ほどの2:2:6の原則から見れば、間の6割をガッチリつかんでいたことになります。流石です。現在、春日井市有権者は約25万人、複数候補が立候補を予定していますので投票率は上がるんでしょうが、40%で10万票、50%で12万5千票ほどになります、先ほどの鉄板支持者20%は2万~2万5千票の基礎票となります。実は保守系の2候補が伊藤市政の継承を看板に掲げていますが、両者で分け合うことになれば、この2~2万5千票と数字の上では符合してきます。つまり4万~5万の浮動票の行方がカギになると思われます。

もう一つの視点は、市議会選挙の結果です。こちらも投票率は平成19年の46%から徐々に下がりはじめ前回の平成31年はなんと35%。投票率=市民の関心度を考えれば10人のうち6~7人は無関心という結果です。実はこの辺りが春日井市の一番の問題点と個人的には思っていますが、安定を目指すのが良いのか悪いのかわかりませんが、安定すればするほど議論が引っ込みます。そういう意味では公開討論会が何度か開催されていますが、議論が復活していることは良いことではないでしょうか。さて、この選挙の結果を見ると、自由クラブ(自民党)に所属する議員の総得票数は約3万2千5百票、市民クラブ(旧民主党系)1万3千6百、公明党が1万3千2百、共産党が9千4百、無会派が1万3千です。もちろん市議選は政策より「地縁」が主で、義理人情の世界ですので基礎票を計算するのは難しいかもしれませんが、ある程度組織で動く部分もあるので議員が誰を応援するかは重要です。しかし自民党はじめ各党が特定の候補者の推薦を見送ったこと(または両方を推薦)、さらに、かつてない程の浮動票の多さ(投票率が高くなれば)を考えると、今回は「読めない選挙」に尽きると思っています。つまり、この浮動票に刺さるキーワードは何か? 勿論手の内を明かすわけにはいきませんが、このキーワードを見つけた候補者が票を伸ばすんでしょうね。頑張りましょう!

「元気 やる気 石黒なおき」後援会長でした。